今回はフジフィルムのフィルムである「PRO400H」を、作例を交えて紹介していきたいと思います。
ご存じの通り、この「PRO400H」は生産が終了してしまいました。市場にはまだ残っているので、ギリギリ入手は可能ではありますが、私が一番好きなフィルムなので本当に悲しい。歴史的な財産として、少しでも作例を世に残したいという思いから敢えて紹介したいと思います。
「PRO400H」とはどんなフィルム?
「PRO400H」はFUJIFILMがプロ用と謳って販売しているネガフィルムです。ISO400なので使いやすいですが、値段が高いです。さらに希少性も増してなかなか手に入りにくくなっています。
ちなみにFUJIFILMの公式サイトでは以下のような説明がされています。
発色:自然で落ち着いた発色
階調:軟らかい
お奨めの被写体:
1.滑らかでしっとり落ち着いた肌色描写を求める用途に。
2.高感度かつ蛍光灯やミックス光源に強く、色温度の影響を受け難いので、室内および屋外のあらゆるシーンで。
3.コマーシャル、建築写真など、色転びがすくないのでプロフェッショナル向けの撮影に
ISO感度:ISO400https://www.fujifilm.com/jp/ja/consumer/films/negative-and-reversal
正直あんまりピント来ないですが、よくチマタでは「青い」「寒色系」「落ち着いている」「淡い」「雑味がない」などと形容されているようです。
いかがでしょうか、確かに淡く青みがかった感じではないかと思います。ちなみに使用したカメラはCONTAX S2、レンズはContax planar 50mm f1.4です。
よく言われる話として、欧米では暖色系の電球色を好むのに対し、日本人は寒色系の蛍光灯や白色電球を好む傾向があるとされています。確かに洋画に出てくる家の照明って暖色系のイメージ! これは白人の目は太陽光に弱いかららしいです。
つまり日本人にとっては寒色系の「PRO400H」はとても人気がある色味なんです。個人的には黄色側に触れる人気の「Kodak Portra 400」と双璧をなすフィルムだと思っています。
空の青が綺麗に出ています。
ただ、一つ重大な事実があります。実は「PRO400H」で撮られた海外の写真を見てみると、必ずしも青みがかっていないということがあるようです。これは「デジタルフィルムを再現したい(玄光社)」の著者である嵐田大志さんの推測によると、PRO400Hの発売当初は海外のみで販売されており、フロンティアに補正プロファイルがない中、輸入盤のフィルムを自動補正してみたら、シアンが強めに出て「いい感じ」になったことで、「PRO400H=青みがかった」というイメージに繋がったのではないかとのことです。
どおりで公式サイトの説明文に「青み」とか「寒色系」とかいう表現がない訳ですね。「PRO400H」のイメージは当初開発側のFUJIFILMのコンセプトとは違った形で世の中に広まったのかもしれません。
以上、「FUJIFILM PRO400H」のレビュー&作例でした。今回の作例にはありませんが、人の肌も綺麗にみせるので、ポートレートにも向いているそうですよ!
この色味を出せなくなるのはとても悲しいです。なんとか復活してくれないものでしょうかね。残っているフィルムは大切に使っていこうと思います。次回は他のフィルムについてもレビューしようと思っているのでお楽しみに。
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