レンズにはフルサイズ用のレンズとAPS-C用のレンズがありました。でも実際はフルサイズ用のレンズをAPS-Cに付けることは可能です。またその逆でAPS-Cのレンズをフルサイズに付けることはメーカーによっては可能です。それぞれの場合にどうなるのか、メリットとデメリットについて解説していきたいと思います。
フルサイズ用のレンズをAPS-Cに付けた場合
フルサイズ用のレンズは全てAPS-Cにも付けることができます。その場合に起こるメリットとデメリットは以下の通り。
メリット
①ハイグレードなフルサイズ用レンズを使えるようになる
フルサイズ用のレンズは純正もサードパーティーも含め、各社気合の入ったラインナップが揃っています。例えばソニーであればAPS-CにはないGマスターレンズというより高品位なレンズを使うことが可能です。さらにフルサイズ用のレンズはAPS-C用のレンズに比べ、圧倒的な種類の多さも魅力の一つ。レンズの選択肢が格段に広がります。
②フルサイズのカメラに買い換えても引き続きレンズが使える
APS-Cからフルサイズに今後買い換える予定があるというのであれば、引き続きフルサイズのレンズが使用できるので長い目で見れば合理的です。
デメリット
①APS-C用の画角に切り取られるのでレンズの性能を生かしきれない
フルサイズのレンズはフルサイズ用のイメージセンサーに付けることを想定した画角で設計されているため、APS-Cに付けるとAPS-Cの画角に切り取られてしまいます。そのためフルサイズのレンズの全てを生かし切ることはできません。
②不要な部分が生じるため大きく重くなる
画角が小さくなるため、不要なレンズのエリアが生じてしまいます。それによってカメラ自体が不要に大きく重くなります。
③レンズの値段が高い
フルサイズのレンズはAPS-Cよりかなり高いです。APS-Cのレンズは金額的にも比較的集めやすいですが、フルサイズとなるとなかなかすぐには手が出せないので、レンズを集める面白さを実感しにくいです。
メリットでありデメリットでもある点
焦点距離が1.5倍になる
APS-Cのレンズに付ける場合はレンズに表示されている焦点距離に1.5をかけた数字が焦点距離になります(キャノンの場合は1.6)。例えば焦点距離が50mmのフルサイズ用レンズをAPS-Cに付けた場合は焦点距離が75mmとなります。遠くの被写体を撮るときにはメリットと言えるでしょう。逆に広角でとりたいときはデメリットになるかと思います。
APS-C用のレンズをフルサイズに付けた場合
APS-C用のレンズをフルサイズに付けられるかは各社変わってきます。マウントがフルサイズもAPS-Cも同じニコン、ソニー、ペンタックスは付けられますが、キャノンはマウントが違うので付けられません。APS-C用のレンズをフルサイズに付けた場合に起こるメリットとデメリットは以下の通り。
メリット
①カメラをコンパクトにできる
APS-C用のレンズはフルサイズ用よりも小さくコンパクトなものが多いです。小型化できるので気軽に持ち歩くことができます。
②安くレンズを手に入れられる
APS-C用レンズは安いものが多いので、サブレンズとして保有しておくことも容易です。
デメリット
①ケラレがおこる
APS-Cのイメージセンサーように開発されたレンズですので、単純にレンズの半径が小さく設計されています。下の図をみたらわかると思いますが、フルサイズのイメージセンサー全てを覆うことができないのでどうしても黒くなってしまうところが出てくるのです。これをケラレと言います。
ファインダーから見えるイメージ
ちなみにフルサイズのカメラはAPS-Cのレンズを識別してくれるので、APS-Cのレンズを付けるとケラレ部分が見えないように自動でトリミングしてくれます。これをクロップといい、設定でオンオフを切り替えることも可能です。
②画素数が落ちる
ケラレてしまっている分の範囲がイメージセンターに届かないのでその分画素数が大幅に落ちてしまいます。
まとめ
APS-Cにフルサイズ用のレンズを付けた場合と、フルサイズにAPS-C用のレンズを付けた場合のメリット・デメリットについて解説していきました。ここには書かれていないですが、実はボケ量なんかも変わってきたりします。その辺は設定である程度は再現できるしそこまで大きな問題ではないので今回は割愛しました。今後レンズを購入していく上で欠かせない知識なので、少しややこしいですが覚えておきましょう。
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