CDジャケットから見るトリミングの世界【第2弾】

CDジャケットから見るトリミングの世界【第2弾】

以前、「CDジャケットから見るトリミングの世界」の記事をアップしましたが、今回はその第2弾です。

サブスクリプションが主流の昨今でも、ジャケット写真は音楽作品のパッケージとして今でも機能しています。1:1の正方形(スクエア)のアスペクト比で作られたCDジャケットのビジュアルに注目してみると、とても面白い世界が広がっているんです。私はグラフィックデザイナーですので、グラフィックデザイン的な観点から、CDジャケットのトリミングについて気になった作品を紹介していきたいと思います。第1弾も気になった方はアーカイブから是非見てください!

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秦基博 / 仰げば青空

まず一つ目は秦基博の配信限定の楽曲です。卒業をテーマに制作したという本楽曲、タイトルの通り青空を仰いでいる女子高生がメインビジュアルとなっています。注目すべきはリフレクションを全面に見せた表現だということですね。さらに女子高生の目元から上がトリミングされていることで、見る人に想像の余地を残しています。こうすることで深みのあるコンセプチュアルな世界観が表現されていると思います。とてもクールでハイセンスなビジュアルです。

マカロニえんぴつ / s.i.n

コインランドリーで腰掛ける女性を客観的に捉えたシネマティックなビジュアルです。アンダーな色味に額縁構図も相まってシックでクールな印象となっています。黒の地に一番目立つ色は黄色です。黄色い乾燥機と女性の黄色い服も全て計算されているプロの視点に脱帽です。

マカロニえんぴつ / 夏恋センセイション

さらにマカロニえんぴつです。りんご飴をなめる女性の口元のアップというインパクトのある写真。夏の美しくて危うい若者達の青春を、口元の色気とりんご飴の赤で見事に表現していると思います。タイトル文字の青が夏らしさを強調していますね。「夏恋センセイション」というタイトルにこれほどまでにふさわしいジャケットはないのではないでしょうか。素晴らしいジャケットだと思います。

Vaundy / benefits

ちょっと絵画っぽいですが、一応これも写真に入れさせてください。Vaundyの最新曲・benefitsのビジュアルです。コントラストを極限まで生かした作品で、光の当たった部分だけのビジュアルを見てしまうと一瞬抽象的な何かかと思いますが、よく見るとキスしようとしている男女の口元アップです。有名な錯視絵である「ルビンの壺」のような効果を狙っているのでしょうか。いろんな意味を感じさせます。

adieu / adieu 2

adiue(上白石萌歌)の2nd mini albumのジャケットです。不思議なニーショットでトリミングされています。足元が見えず、不安定なポーズをしているため浮遊感を感じますね。楽曲の繊細さがうまく表現されていると思いました。色味もフィルムカメラで撮ったような低彩度、低コントラストでとても素敵です。薄い青と薄いピンクの組み合わせが美しいですね。

ちなみにadiueの公式ホームページを調べてみたらかなりビジュアルにこだわっているホームページだったので、皆さんにもみて欲しいです。https://www.adieu-web.com/

宮本浩次 / sha・la・la・la

宮本浩次の最新曲です。こちらの写真はアングルが良いですね。おそらくですが、ジャンプした瞬間を撮影したのではなく、足の裏からアクリル板越しに撮影していると思います。意外と手間のかかった撮影ですね。普通のアングルよりもインパクトが出る宮本浩次らしいジャケットかと思います。

Awesome City Club / Grower

名曲「勿忘」を含むAwesome City Clubの3rdアルバムです。実はトリミングというよりは色が美しかったので今回選んでしまいました(コンセプトブレてすいません)。赤、青、黄色のトリコロールカラーで、全体的にソフトフィルターをかけたような仕上がりとなっています。このあまりにも美しい色味が彼らの世界観を体現している様です。3人それぞれの服の色をトリコロールカラーにするのではなく、ソファーを黄色にしたところに芸術的なセンスを感じます。視覚的に飽きさせませんね。海外のファインアート的な美しさを感じるジャケットです。

まとめ

以上、今回は7点のCDジャケット写真の紹介でした(CDじゃないのもありますが)。前回、第1弾をやってからというもの、最新曲のジャケットには目を光らせてはいたのですが、意外とトリミングが秀逸なものを見つけるのは難しかったですね。なのでまあトリミング以外の点で優れているものも今回は入れさせていただきました。またネタがたまったら第3弾もやってみようかな。

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