日の丸構図とは写真の真ん中に被写体をおく構図です。画面の中央に置くことで視線を向けさせ、主役をより引き立たせる効果があります。
よく日の丸構図は初心者っぽく見えるから避けた方が良いという話も聞きますね。確かに日の丸構図って構図の知識がなくても何となくやってしまう構図ですし、誰でもできるので初心者っぽく見えるのだと思います。
でも、本当にそうでしょうか? 私は日の丸構図が大好きです。日の丸構図だからこそ素晴らしく見える写真もたくさんあります。
「気がついたら日の丸構図になってしまった」と「最もふさわしいと思ったから日の丸構図にした」とでは全く意味合いが違います。今回はそんな日の丸構図を意識的に狙うためのポイントをまとめてみました。多少、私の持論もあるのであくまで参考までに。
日の丸構図は「静」を表現できる
日の丸構図は動きが出せないという意見もあるかと思いますが、果たして写真において「動き」がある写真は「動き」がない写真より優れているかといえば決してそんなことはないと思います。
「動」が表現できないということは、言い方を変えれば「静」を表現しているということ。「静」の写真ってとても魅力的なんです。
日の丸構図に向いている被写体
日の丸構図に向いている被写体と、あまり向いていない被写体というものが存在します。
日の丸構図は「静」を表現するといいましたが、つまり出来るだけ動きを感じない被写体の方が向いていると思います。下の図をご覧ください。
形において、尖っている物体は尖っている方向に動きを感じるものです。車や飛行機も進む方向は他の面に比べて尖っていますよね? 形だけでなく、人間や動物や花においては「顔が向いている」方向に動きを感じます。
ちなみに、動きのある被写体は以下のように動きの感じる方向に少し空間をあけると画面が落ち着きます。
動きを感じない被写体というのは、形が丸に近かったり、左右対称だったりするもののことです。
人物や動物、花などの場合は、真正面を向いている写真だと日の丸構図が向いていると思います。
余白を十分にとる
よく初心者っぽくなっている写真の例として、画面いっぱいに被写体を入れてしまうといったものがあります。とても綺麗な花だからできるだけ画面いっぱいに入れたいという気持ちはわかりますが、それだと写真に余裕がなくなってしまいます。上下左右に適切な余白を設けることで、写真に余裕が生まれてより被写体が美しく見えます。
背景をぼかす
日の丸構図は被写体をより浮かび上がらせる構図なので、主役がハッキリとしているのが特徴です。同時に被写体の背景をぼかすことでより主役をさらに浮き上がらせることができます。日の丸構図とボケは相性が良いのです。明るい単焦点レンズなどを持っている場合は積極的に使っていきましょう。
まとめ
以上、「初心者っぽく見えない日の丸構図のポイント」でした。今回いくつか例として出した作例は、個人的にはとても気に入っている写真です。逆に日の丸構図意外じゃ被写体は活かしきれなかったんじゃないかってくらいハマっているかなと思います。
いくつかポイントを抑えると、日の丸構図ってすごく被写体を美しく映えさせることができるので、是非是非チャレンジしてみてください!
日の丸構図以外の構図については「どう配置する? 撮影時に知っておくと便利な12の構図」でも紹介しているので、興味がある方はそちらもご覧いただければ幸いです。
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