どう配置する? 撮影時に知っておくと便利な12の構図

どう配置する? 撮影時に知っておくと便利な12の構図

今回は構図についてまとめます。よく写真の話になると構図の話が出てきますよね。構図はまずフレーミングをある程度決めてから考えると良いと思います。フレーミングが決まるとおのずと構図も決まってくるからです。フレーミングについては前回の記事「どう見せる? 撮影時のフレーミングの知識」でまとめているので、気になる方は是非ご覧ください。フレーミングと構図は意味が混合されて使われがちですが、私は以下のように使い分けています。

  • フレーミング:画面内に何を入れ、何を入れないのかを決めること
  • 構図:フレーミングで決めた要素をどう配置するかを決めること

構図とは主題をどのように見せるかを決めるときに役立つ指標のようなものです。ただ、必ずしも構図に当てはめた方が良いというわけではないので、自分の感性でこの配置が一番良いと感じたらそうしてみるのが良いと思います。あまり構図にとらわれすぎても楽しくなくなってしまいますしね。ここではよく使われる構図をいくつか紹介するので徐々に覚えていって、ふとしたときに挑戦してみるとだんだん身についてくると思います。

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日の丸構図

日の丸構図

日の丸構図 ライン

日の丸構図は被写体をど真ん中に配置する構図です。主題が真ん中なのでストレートに伝えたいことを伝えられます。構図を知らない人でも考えずにやっている構図なのでよく素人っぽいと言われがちですが、私は日の丸構図が大好きです。SNS上でも「#日の丸構図のススメ」というハッシュタグが話題になるほど最近は再評価の傾向にあります。ダイナミックな表現は苦手ですが、「動」よりも「静」な印象を与えられるので、落ち着いた印象にしたい場合はとても映える構図です。

三分割構図

三分割構図

三分割構図 ライン

構図の勉強をするときに最初に出てくるのがこの三分割構図です。縦横を三等分しています。日の丸構図だと単調だと感じるときはこの三分割構図を当てはめてみましょう。地平線や柱などはライン上に、花などの被写体は4つの交点のいずれかに配置させるとしっくり来ます。例えば交点の上に花をおいて、それ以外は何もないという構図だと三分割構図があからさまなので、対角線の交点に別の花をぼかして副題にするなどの工夫をするとGoodです。

二分割構図

二分割構図(上下)

二分割構図 ライン

二分割構図は上下に二分割した場合と、左右に二分割した場合があります。上の作例は水平線をライン上に配置しました。地面が水たまりになっているので空が反射して幻想的な写真となっています。上下のコントラストが美しい構図です。

二分割構図(左右)

二分割構図(左右) ライン

こちらは左右での二分割構図。左右対称を意味するシンメトリー構図とも言いますね。人間は左右対称のものには「誠実さ」「信頼感」「安定感」を感じるとされています。建築などでは「重厚感」なども与えることができるでしょう。

四分割構図

四分割構図

四分割構図 ライン

三分割構図や二分割構図に比べると少し少なくなるかもしれませんが、四分割構図もよく使われます。被写体がより画面のフチの方におけるので、表現の幅が広がります。

対角線構図

対角線構図

対角線構図 ライン

対角線構図を使うと画面に勢いやリズム感、奥行き、ダイナミズムを表現することができます。比較的使いやすい構図なので対角線があると思ったら使ってみましょう。

放射線構図

放射線構図

放射線構図 ライン

放射線構図は消失点構図や一点透視、パースと表現されることもあります。複数の線がある一点に集中している構図です。奥行きを感じることができるのでとても迫力が出ます。道や鉄道などでよく見られるので使いやすい構図です。

三角形

三角形

三角形 ライン

三角形は美術や建築の世界ではよく出てきます。なぜ三角形が良いとされているかを考えるといろいろ説はあると思うのですが、トランプタワーは三角形の集合体で出来ていたり、工学的な面でも安定感を人間が感じるからでしょうか。正三角形でも逆三角形でも良いので、三角形を見つけたら入れてみましょう。

S字構図

S字構図

S字構図 ライン

奥に延びる道がS字構図になっているとなんだか美しさを感じます。オーガニックな図形は人間にとって自然なんですね。ちなみにSは左右反転されててもS字構図です。

C字構図

C字構図

C字構図 ライン

よく料理写真などでは使われるC字構図です。日の丸構図を回避するために円の端を画面から外すと簡単にC字構図になります。ちょっとオシャレな印象に出来る構図です。

額縁構図

額縁構図

額縁構図 ライン

額縁のように周辺が囲まれたような構図のことです。このフチが丸かったらトンネル構図と言ったりもします。こちらからのぞき込んでいるような印象を与えられます。また、前景と後景のコントラストで奥行き感も出すことができ、さらに明暗に差があれば画面を引き締める効果があるので、うまく使えば目を引く写真に出来そうです。

ファイグリッド

ファイグリッド

ファイグリッド ライン

割と上級な構図にファイグリッドというものがあります。普通の三分割構図の応用で、等分ではなく黄金比率で分割してみた三分割構図です。黄金比率とは1:1.618の比率のことで、人間が最も美しいと感じる比率と言われています。名刺やパルテノン神殿など、身の回りの様々なものに使われています。詳しく知りたい方は調べてみると面白いですよ。こちらの作例では階段最上段のフチと鳥居の柱をファイグリッドのラインに合わせています。この巫女さんがもしもう少しファイグリッドの交点に近ければもっと良い比率だったような気がしますがどうでしょう? まあこれはこれで面白いから良いか。

黄金螺旋

黄金螺旋

黄金螺旋 ライン

フィボナッチ・スパイラル構図と言ったりもします。黄金比で作られた螺旋で有名な図形ですね。これを当てはめるって難しくない? と思うのも訳ないですが、この曲線よりも正方形に着目してみましょう。一番大きい正方形、次に大きい正方形と面積が少しずつ小さくなっています。この作例では一番大きい正方形を建物群にはめてみました。後は空、土手というように何となく比率が小さくなっていけば良いと思います。最後に曲線の中心が人などのポイントにはまると尚良いですね。まあ撮影時にはわからないので、出来た後で気づくことの方が多いんですけどね。

まとめ

以上、構図のお話でした。最後にひとつ言いたいのは構図にはめることが善とは限らないということです。構図はあくまでも参考程度にする方が私は良いと思っています。なぜなら写真はもっと自由であるべきだと思うからです。模様だけの写真や玉ボケだけの写真は構図にはまってないから良い写真じゃない、なんてことはないはずです。こんだけまとめておいて言うのもなんですが、自分なりの「美」を追求していってください!

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