CDジャケットから見るトリミングの世界

CDジャケットから見るトリミングの世界

CDジャケットって最近は見ることが減ったでしょうか? サブスクリプションでもジャケットの写真は表示されるので見ることは出来るんですけどやっぱり大きなサイズで見たいなあと思うこの頃です。僕はグラフィックデザイナーをしているので、写真のトリミングって凄く気を使っていたりします。トリミングの世界でもCDジャケットってやっぱり魅せられる写真が多い気がするんですよね。1:1の比率、正方形で被写体を切り取ると、その全てに意図した狙いを感じることができます。1、2mmずれただけでも印象が変わってしまうシビアな世界です。僕が見たCDジャケットの中でも「これは!」と思ったものをいくつか取り上げてみたいなと思います。

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スピッツ / ハチミツ

このジャケットはトリミングの世界では有名なのでデザインに詳しかったら知っていると思います。デザイナーは木村豊さんでスピッツや椎名林檎、木村カエラなど有名なアーティストのジャケットを手がけています。この方はハッとさせられるようなCDジャケットをたくさん作っているので、興味がある方は是非調べてみて欲しいです。特徴はやはり女の子の顔の途中からトリミングされている点。女の子の存在感を出しながらも主張しすぎない絶妙な位置でのトリミングだと思います。どんな顔をしているんだろうという好奇心をくすぐられます。実は初回限定版のジャケットは通常版と違っていて、女の子の姿勢が微妙に違うらしく、さらにはCDの側面まで行くと女の子の顔が見られるそうです。

椎名林檎 / 三文ゴシップ

これまた木村豊さんのCDジャケットです。全面に肌色を入れた大胆な構図で、ギリギリ椎名林檎だということもわかる感じがアートだなと思います。椎名林檎特有の独特な世界観がすごく表現されていて、棚に並んでても光を放つ作品です。

RADWIMPS / カタルシスト [通常盤]

不思議な魅力のあるジャケットですね。女性モデルの顔の一部を幻想的に切り抜いています。さらに顔に水滴が落ちる瞬間も切り取っている。時間もトリミングされているようなアーティスティックな作品です。こちらは通常盤ですが、完全生産限定版もモノとしてすごい作り方をしているので気になる方は調べてみてください。フォトグラファーはamanaの青山たかかずさんという方だそうです。

クリープハイプ/ 死ぬまで一生愛されていると思ってたよ


バンドのフロントマンである尾崎世界観をトリミング。目よりも下をトリミングした点はスピッツのハチミツと近い手法かと思いますが、口元と胸元にフォーカスされている点にセクシーさを感じます。文字がピンクなところからも、色気を前面に出すことに狙いを定めているのが読み取れるジャケット。

宇多田ヒカル / Distance

絶妙なバランスでトリミングされた宇多田ヒカル。よく構図の世界で語られる三分割法に当てはまっているからなのか、それとも左腕から髪型に掛けて右回りのモーメントを感じるからなのか、さらには三角形構図もあるような気もする。なぜ美しく感じるのか分析したくなるジャケット。

aiko / どうしたって伝えられないから[初回限定仕様盤]

発売したばっかりのCDですね。敢えて水平にしていないところや、aikoの背面に大きく空間を空けるところなど、すごく難しい構図にしているのに、正解はこれしかないんじゃないかというようなバランスの美しさを感じます。また、この距離感もaikoの心情を一番感じられる気がする。飾っておきたくなるCDジャケットです。

aiko /ハニーメモリー[初回限定仕様盤]

やはりこの距離です。主観と客観のちょうど間のような距離が個人的にとても好きです。トリミングとは関係ないですが色が美しすぎる。

aiko /泡のような愛だった[特典CD付通常仕様盤]

またaikoです。多いですね。この位置でのトリミングは僕だったらやってみたくても怖くてなかなかできないなと思います。よっぽど自信がないと難しい。右手は敢えてはみ出させているんでしょうか。普通だったらちゃんと収めるようなところをはみ出させることで逆に印象を強くしている気がします。これはプロの仕業ですね。

まとめ

以上8点のCDジャケット紹介でした。自分で選んでてこれは楽しかったですね。まだまだ自分の知らないジャケットもきっとあると思うので、是非第2段も今度やりたいと思います。風景写真編や洋楽編などもできれば良いかと思います。

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