おすすめ書籍紹介『ファインアート写真の見方 -写真を読み解く技術を養う-』

書評『ファインアート写真の見方 -写真を読み解く技術を養う-』

先日、「ファインアート写真の見方  – 写真を読み解く技術を養う- 」という書籍を読みました。著者はブリッツ・インターナショナル代表の福川芳郎さんです。ファインアート写真とは何か、世界の有名写真家が評価されている理由や、世界のオークション事情、また世界と日本の写真市場の違い等について学べるとても画期的な本だったので、皆さんに紹介します。

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世界のファインアート写真事情について知れる本

そもそもファインアートとは日本語で純粋芸術のことです。よく海外のオークションなどで誰々の絵画が何億円で売れたなどというニュースを聞きますが、そんなオークション市場で取引される作品がファインアートの一般的なイメージかと思います。本書はそんなファインアート市場において「写真」がどのような存在なのかを解説している、かつてない本となっています

私も正直、ファインアート事情については全く知識がありませんでした。海外の有名な写真や写真家についても断片的に少し知っていたくらいで、写真界の全体像や歴史については全く知りませんでした。本書は、世界的に有名な写真家の作品が、なぜ評価され高額で売買されているのかの理由を、写真史を通して説明しています。「写真」にも価値基準があり、その価値基準は時代によって変化するものであると説いています。その時々のオークションでの落札金額は、その時代性の現れだということです。私は初めて「写真」にも「見方」が存在することを学びました。それは商業写真やSNSでの写真の「見方」とは全く異なる、ファインアート写真の「見方」です

この本のメインターゲットは2種類あると思います。

一つ目はファインアート写真のオリジナルプリントやフォトブックを集めることに興味がある方です。価値のある写真とはどのようなものなのか、また今後、価値が上昇するであろう写真家を見つけるための目利きのヒントを教えてくれます。私のように、この本を通してオリジナルプリントやフォトブックの収集に興味を持つ人も出てくるでしょう。

二つ目はこれから写真家になりたいと思う人たちです。21世紀において名をあげるには強いテーマ性が非常に重要です。そのテーマ性を確立するためには、ファインアート写真の勉強が必要不可欠であるということを本書は語っています。今後の創作活動の一助になると思います。

海外の写真家についてあまり詳しくない人にとっては、たくさん登場する写真家の名前がわからず、読み進めるのが難しいと感じるかもしれませんが、登場する名前を一つ一つ調べながら根気強く読んでみてください。そうするとファインアートの世界を少しずつ立体的に捉えることができるようになると思います。最後の章では写真を生業にするなら知っておくべき写真家を何人か紹介しています。ロバートフランク、ソールライター、ウィリアムエグルストン、アンドレアスグルスキーなど、知れば知るほど写真が面白くなりますよ。

「カメラ沼」とか、「レンズ沼」といった言葉がありますが、「写真集沼」というものもあるんですね。見事に私もハマってしまいました。有名な写真集、フォトブックの収集がしたくてしょうがなくなってしまいます。これまでの私のブログでも有名写真集を読むことの重要性を書いてきましたが、より一層その重要性を実感し、自分の写真ワークにも多大な影響を与えられたと思います。

日本のファインアート写真市場が、この本をきっかけに盛り上がることを期待しています。是非、一度読んでみてはいかがでしょうか。


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