私が一度やってみたかった試みとして、フィルムカメラとデジタルカメラの撮り比べをしてみたいと思っていました。単に撮り比べではすでにいろいろなサイトや書籍でたくさん紹介されていて面白くないので、今回は以下の4種類を撮り比べてみようと思います。
- デジタルカメラ & 現行レンズ
(Sony α6300 & Vario-Tessar T* E 16-70mm F4 ZA OSS) - デジタルカメラ & オールドレンズ
(Sony α6300 & Contax planar 50mm F1.4) - デジタルカメラ & 現代レンズ & OPFフィルター
(Sony α6300 & Vario-Tessar T* E 16-70mm F4 ZA OSS & OPF 550-L filter) - フィルムカメラ & オールドレンズ
(Sony α6300 & Vario-Tessar T* E 16-70mm F4 ZA OSS)
特にポイントなのは、前回の記事で紹介したOPFフィルターとの撮り比べを入れているところです。OPFフィルターとは何だと思われる方もいるとは思いますが、要するにオールドレンズ風にアレンジできるフィルターです。詳しくは前回の記事「【作例あり】話題のフィルター「OPF 550-L」を付けてフィルム風にしてみた」で取り上げているのでご覧下さい。今回使ったのは青と緑が強調されるOPF-550Lの方です。
現在、フィルム写真が人気な昨今ですが、デジタルでどのようにオールドなテイストに出来るのかを様々な人が模索しています。今回はオールドレンズ着用のデジタル写真と、OPFフィルター着用のデジタル写真、さらにフィルムカメラがどのように違うのかを比べてみたということです。是非参考にしていただければ!
作例1(ベランダ)
デジタルカメラ & 現行レンズ
さすが現行レンズ。「しっかり」と描写されている気がします。色がこってり入っている印象。解像感も申し分ないです。
デジタルカメラ & オールドレンズ
レンズはContax planar 50mm f1.4で、統一するためにF4.0まで絞っています。現行レンズより若干黒が浮いているように見えます。背景の玉ボケが六角形ですね。
デジタルカメラ & オールドレンズ & OPFフィルター
全体的に青みが少し深くなって、緑寄りにシフトしたのはOPFフィルターの効果ですね。解像度を落とさずにオールドレンズ感がでました。色はplanarとは全然違います。これはこれでオールドレンズ風のエモさが出ています。
フィルムカメラ & オールドレンズ
まあ、当たり前ではあるんですが、フィルムだと全然違いますね。フィルムはKodak Portra 400です。現像の仕方にもよるとは思いますが、空はかなり薄くなりますね。ピント面もデジタルほど解像度が高くありません。粒感もあるのでやっぱり一目でフィルムだとすぐわかる写真です。ちなみに今回デジタルの方はAPS-Cでの撮影のため、フルサイズで撮ったフィルム写真は全てクロップしておりますのでご了承を。
作例2(公園)
デジタルカメラ & 現行レンズ
色乗りも良く現代的な描写です。やっぱり色乗りが良いですね。ベタッと色が付いていて重量感を感じます。F値は4.0で撮影。
デジタルカメラ & オールドレンズ
レンズはContax planar 50mm f1.4で、統一するためにF4.0まで絞っています。プラナーなのでオールドレンズにしては色乗りは良いですが現行レンズよりはすっきりしている気がします。ヌケ感も感じられます。
デジタルカメラ & オールドレンズ & OPFフィルター
OPFフィルターはOPF-550Lなので全体的に青と緑が強めです。デジタルカメラ&オールドレンズのみの組み合わせよりも個人的にはエモさを感じます。
フィルムカメラ & オールドレンズ
Kodak portra 400を少し明るめに現像してもらったのがかなり影響していると思いますが、彩度は低めであっさりとした描写となりました。緑色なんか全然違いますね。粒感がアナログ感を感じます。
作例3(サボテン)
デジタルカメラ & 現行レンズ
この日は曇り空だったのでコントラストは低めになりました。F値は全て4.0です。ピント面もバッチリ撮れています。
デジタルカメラ & オールドレンズ
現行レンズとはそこまで大きな違いは感じられないかもしれないですが、コントラストはわずかにこちらの方が低いかな。
デジタルカメラ & オールドレンズ & OPFフィルター
解像度そのままで青と緑が強調されました。比較の為に露出は統一しましたが、OPFフィルターは少し色が重くなる気がするので、実際はもう少し露出をあげたらちょうど良い感じになったかな。やっぱりplanarとは全然雰囲気が違います。
フィルムカメラ & オールドレンズ
フィルムはKodak portra 400です。彩度が下がって少し暖色寄りになったかな? ピント面もガチピンじゃないので、柔らかさが出ています。サボテンにはとても相性が良いかもです。
まとめ
以上、「フィルム&デジタル&OPFフィルターを撮り比べてみた」でした。
今回撮り比べて感じたのは、同じオールドレンズでもデジタルとフィルムでは全然違うなあということです。根本から写真の原理が別物なんだなと感じます。デジタルを加工してフィルム風にすることは出来ますけど、完全にフィルム風にするのは難しいなと思いました。
また、OPFフィルターも今回は比べてみました。OPFフィルターをつけるとオールドレンズ風になるとはいえ、オールドレンズもたくさん種類があります。今回使ったオールドレンズはplanarのみでしたが、OPFフィルターとは全然違いましたね。このOPFフィルター(550L)に近いオールドレンズもあるとは思うのですが、どのレンズが近いんでしょうか。
本当はいろんなオールドレンズで比較しないとあまり意味がないのかもしれないですけど、あくまで参考に。写真の色味や解像度なども私の主観での感想がかかれているので、人それぞれ感じ方は変わってくるかもしれません。自分の好きな写真を撮るための参考になれば幸いです。
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