デジタルカメラで人物を撮影するとき、顔のアップやバストアップ、もしくは全身など、様々なショットの選択肢があると思います。ショットにはどんな種類があるのか、やってはいけないショットのタブーなどを解説します。ちなみに「ショット」と「フレーミング」という用語はよく混合されます。厳密に言うと違うのですが、結構曖昧に使われていたりもするようです。
- ショット :被写体をどう切りとって画面内に収めるかのこと
- フレーミング:被写体を画面の中にどう配置するかのこと(カメラアングルなど)
ショットの種類
ショットは主に動画の世界で使われることが多いですが、静止画でも同様に使って良いと思います。大きく分けると、ロングショット、ミディアムショット、アップショットと3つに分けられますが、細かく分けると下の表のようにさらに分けられます。
ロングショット | ロングショット |
フルフィギュア | |
ミディアムショット | ニーショット |
ウエストショット | |
バストショット | |
アップショット | アップショット |
クローズアップ | |
エクストリームクローズアップ(ディテール) |
ロングショット
被写体が遠くに見えるショット。風景の面積が大きいのでその場の環境を伝えることができる。人物の表情は読み取りづらくなる。
フルフィギュア
被写体の全身が入ったショット。全身を見せたいときに向いている。
ニーショット
ニーとは膝(ひざ)のこと。被写体の膝からフレームに収めるショット。上半身の動きと表情を見せるのに効果的。
ウエストショット
被写体の腰から上をフレーム内に収めるショット。ニーショットと同じように上半身と表情を見せることができる。
バストショット
被写体のバストからフレームに収めるショット。対話をしているような距離感。ドラマではとても一般的。
アップショット
被写体の顔を切り取ったショット。表情がはっきり伝わる。
クローズアップ
表情だけを切り抜いたショット。顔にグッと近くなるため、被写体の内面にスポットライトを当てたような表現をすることができる。単焦点レンズを使ってボケを大きくするとより効果的。
エクストリームクローズアップ
被写体の目や口など一部を切り取ったショット。ディテールとも言う。かなりインパクトのある表現ができる。
やってはいけないショットのタブー
顔のパーツで切らない
アップショットでは切り取り方に注意が必要です。顔のパーツ上で切るのはできるだけ避けましょう。特に目で切ってしまうと人間は本能的に嫌な感覚を受けます。目を敢えてフレームアウトさせて広告的な表現をすることもあると思いますが、そういうときも1mmずれただけで印象がかなり変わります。最新の注意をして切り取りましょう。また、首で切るのもNG。アップショットのときは肩もある程度入れましょう。
関節で切らない
関節も同様、本能的にかなり不安感を感じるので避けた方が良いです。
串刺しを避ける
どんな物体かにもよりますが、頭のてっぺんに柵や電柱など垂直な物体が入ると串刺みたいな悪印象を感じるので避けましょう。
首切りを避ける
首に柵やレールなどの横線が入るのは、首が切れているようなイメージをしてしまうので避けましょう。
めざしを避ける
人物の背景の植物の枝などが目に重なっている写真は、やはり目に刺さっているように見えるので避けましょう。
まとめ
以上、ショットの種類とショットのタブーでした。ショットのタブーで紹介したのは確かに一般的にやってはいけないとされている例です。しかし、写真の見せ方で大きな狙いがある場合など必ずしも当てはまらないこともあるので、最後はご自身の感覚を信じていただければと思います。また、ショットとよく一緒に語られることの多い「フレーミング」の話は次回まとめてみようと思うのでお楽しみに。
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